まんぼう 翻車魚倶楽部
航海日誌since July 2000



★8月13日 近鉄北勢線の旅(画像が多く少し重いです)

 夏休みの真っ只中、今日は久しぶりの列車の旅。日頃は車で移動しているので、バスに乗ったり電車に乗ったりするのは少し嬉しくなってしまう。そんな気持ちは隠して、ここは父親としてリードして行かねばいけない・・・。などと思いながらまずは近くのバス停から駅まで行き、本日の最初の目的地「桑名駅」へと向かう。
 何故北勢線へ行くのか?目的は小4の次女わかめの夏休みの自由研究のためと、6月にドンキのOFF会に参加できなかったので、そのリベンジというわけだ。天気が心配だったがなんとかもちそうだ。
 


 始発はこの「西桑名駅」。北勢線はこの駅から東員町、員弁町を経て終点「阿下喜駅(あげき)」に至る全長20.4キロ、駅数17駅のミニ路線。全国でも稀な762mmのナローゲージ。実際見てみると本当に狭い。
 明治45年に北勢軽便鉄道が設立され、その後大正3年西桑名〜楚原間、大正5年楚原〜六石間が開業、昭和6年六石〜阿下喜間の開業と同時に全線が電化された。


 近畿日本鉄道の方から地元自治体に廃線にしたいという意向が伝えられ、やがてなくなってしまうこの北勢線。現在では珍しくなってしまった「ナローゲージ」特殊狭軌で、しかも桑名駅近くの踏切ではJR関西線と近鉄名古屋線との3路線が一度に見る事ができる。
↓左から「北勢線」、「JR関西線」、「近鉄名古屋線」、線路の幅が違うのがわかる。


 最初の駅「馬道駅」まで歩いている途中見つけた、アイスまんじゅう。確かドンキ隊も食べていたはず。早速購入。バニラ味と抹茶味があり、写真のは抹茶味。あまり甘くなくてとっても美味しかった。


 馬道駅横の石段(左写真)を登ると「勧学寺」。ここからは、西桑名駅を出た電車を、この鐘突堂から正面に見る事ができる。1時間に1本の運行なので、しばし休憩がてら電車を待つ事にした。

(最初の写真)


 馬道駅は無人駅。乗客は駅に設置してある「乗車券発行機」でこの駅から乗った事を証明する切符を取って、車内で車掌さんに精算してもらう。車内は一つの車両に10数名の乗客。向かい合って座れば車掌さんが歩くのも少し大変なほど狭い車内だ。もちろん冷房の設備はなく天井に扇風機が回っているだけ。

 町を離れ、緑の多い郊外を走るこの路線は、これで十分な涼しさ、体に心地よい涼風だが、暑がりの人には、「善意のうちわ」なるものが置かれている。ローカル線ならではの心遣いだ。
 先頭車両から見る景色は、ひとつのピクチャーウインドウのようで、民家のすぐそばをすり抜けていく感覚は、昔なつかしい日本の風景のよう。普通の電車よりかなり遅いスピードは心地よいリズムで、ついつい子供のように一番先頭で景色に見入ってしまう。
 北大社駅で途中下車。ホームで持参のおにぎりを食べる。この駅は、駅員のいる三つの駅のうちのひとつで、車庫もある。この駅でこの先の目的地、眼鏡橋と言われている鉄橋の事をいろいろと尋ねてみる。駅員さんはとても親切で、駅員さんと思っていた人は実は運転士さんで次に乗る電車の担当だった。
 そして「上笠田駅」で下車して目的の眼鏡橋に到着。
 この鉄橋の上を走る電車を写真に撮ろうと思っているのだが、自分たちが乗った電車が終点・阿下喜駅から折り返した電車を撮影した後、次に電車に乗るには、わずか数分の時間しかなく、距離にして約1kmほどを走ってなんとか間に合い終点まで行く事ができた。
 あまり大きな声では言えないが、実はいろいろと親切に教えてくれた運転士さんが帰りの折り返しの時この眼鏡橋の上で列車を止めてくれたのだ。写真が撮りやすいようにしてくれたのだと思うが、えっ!こんな事してもいいの?とこちらが心配するぐらい親切だった。
 阿下喜駅から、西桑名駅まではの〜んびりと列車の旅を楽しんで帰ってきました。
 地元の学生やお年寄りにとっては大事な交通手段なのだが、やはり採算のことを考えると今の時代廃線も仕方のない事なのだろう。また日本の素晴らしい風景がなくなっていく。


    

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