4. 長所?短所?




 良いことずくめの道具のようだが勿論、不都合だってある。

 全体に油がなじむ迄のお手入れが大変。
使った後はすぐにお湯で洗うだけだがそれを繰り返していると当然
様々な料理の油分がしみつき
              洗っている手はこの通り→

 それでも決して洗剤を使って洗ってはいけない。
理由はただ一つ。
『油が禿げてしますから』
潔癖な奥様だったらそんなナベで料理なんて
作りたくもないでしょう。
 「あー、奥さんがきれい好きでなくてよかった」
まんぼうのつぶやきが聞こえてきそうだ。
あっ!勿論、自分の手は洗剤で洗いますよっ!

 そして洗った後は必ず全体に(蓋の裏表はもちろん、足の部分も)
丁寧に塩分が入っていない純度の高いオイルを塗らなければならない。
それを怠ると途端に錆が出て、まるで超乾燥肌のどこぞのオバサン
みたいなのだ。(・・・妙に親近感が湧いてきたりして)

 それからなにより、コイツはとにかく重い!
がたいの大きなアメリカ男ならともかく、楚々とした大和撫子の華奢な腕
では、かなりの負担になる。空の状態でも重いのに、中に物が入り
更にガンガンに熱せられたDOは正に拷問の道具としか言いようがない。
 「あ〜ん、許して〜。何でもしゃべるから〜」
何度、そう叫んだことか・・・。

 しかし、この『重い』という事が実はとても重要なのだった。
鋳鉄で出来ているために重くなっているのだが、鋳鉄ってヤツは
蓄熱量が多く、保温量が高い。だから全体がくまなく熱せられる。
蓋を利用してステーキを焼いてみたのだが普通のフライパンと違って
表面はこんがりと焼けているのに中は肉汁がじわ〜っとしたレアーの状態。

 更に、その重たい蓋の存在もとても重要だ。
蓋をして揚げ物をしてみると、油の中に材料を入れても油の温度が
急激に下がる事がないため、芯までしっかり火が通っているのに衣は
からっとしている。フライドチキンは蓋をして中まで火を通し、最後に蓋を取って
からっと仕上げる。

 蓋は「慣らし」を終えた後は本体とぴったり合わさり、更に加熱すると
材料などから出てくる水分が水封し圧力鍋状態になる。短期間で中まで
火を通すことが出来る。

 「酸化減少機能」というのもあるらしい。スープを作るときに出るアクや
魚介類を調理した時に出る生臭さが「酸化」と深く関わっているらしいが
水封されたDOではそれが起きない様だ。

 と以上、短所を言ったつもりがいつの間にかDOの自慢話になってしまった。
これでは私立小学校のお受験の親子面接で
「それでは、お子さんの短所を述べてください」
と言われ、短所を言いつつそれが実は長所なんだよ〜んとアピールしている
お父様のようだ。

 まあ、そんな技を持っていると言うことで、やっぱりDOはエライ!!のだ。
 
使い終わったら暫くの間はこうして
全体にまんべんなくオイルをぬる。

「私、とっても乾燥肌なの・・・」


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 *おまけ

・翻車魚倶楽部 甥っ子kazu君の自慢
 「僕、春の七草知ってるよ!せり、なずら、ごりょう、はこげら、ほとけさま・・。」
  こらこら、一個しか合ってないじゃんか。