2. カウボーイ・・・?




 「カ、カウボーイの朝は早かったって・・・いったい??」

 も、もしかして朝寝坊の私に対する遠回しのアピールなのかしら?
なにせ、低血圧の私は朝が非常に弱い。いつぞやは、朝起きたら
家の中に誰もいなかったことがある・・・。部屋の中には夫と娘達の
脱皮した(着替えた)後が残っていただけであった。
「ま、またやってしまった・・・」

 そんな私に対する無言の抗議か!!と思ったが読み進んでみると
そうでもないらしい。(と、思っておこう)

 この本の著者『菊池仁志』氏がカウボーイに憧れてネバダで働き
そこで初めてダッチ・オーブンに出会った事、それを使っていかに美味しく
なおかつ効率よく調理できるかといった事、更にDOの歴史など判りやすく
書いてある。

 確かに効率よく調理できるのはキャンプでは、はずせない条件だ。
キャンプ場で野外料理を楽しむのは大好きだが、気が付くと朝から
一日中ずーっと食事作りで終わってしまった・・・なんて事がある。
「これじゃあ家にいるのと変わらないじゃない!」帰りの車の中でふと
つぶやく。DOをうまく使いこなしたら、そんな悲しい思いをしなくても
すみそうだ。
 しかもツーバーナーや焚き火だけでは不可能だったオーブン料理も
出来るではないか!

 しかーし、どうやらこの「鍋」はこのままでは使えないらしい。

 軽く洗った後、無塩で純度の高いオイルを何度も塗り重ねて
“シーズニング”しなければならない。いわゆる「慣らし」だ。
そうすることによりカスが溜まったりしなくなり、
面がフッ素加工されたように焦げ付いたりしなくなり
本体と蓋の両方がシーズニングされたことで『圧力鍋』となるらしい。

 「その作業って、一晩かかるじゃないのー」
 「あー、そんなんだぁー。ナルホドねぇ」と、とぼけるまんぼう。

 あー、それにしても重い!何でこんなに重いのだ?
《Wood stove》の所でも書いたのだが、私の右肩は脱臼しやすいのだ。
「ふんがーっ!」

 やればいいんでしょ、やれば・・・。料理をするのは好きだ。
圧力鍋があればかなりレパートリーが増えるのは判っていた。
しかし、実は私はあの蓋に付いたシューってヤツがとっても怖い。

 なんつったって「圧力鍋」っていう名前からして恐ろしいではないか。
あんなアルミの内部にどれだけの圧力がかかっているのか?
爆発することは決してないのか?もし爆発したら・・・!!
超アナログ人間の私にはあの圧力鍋の原理も安全性も全く理解できない。

 だが、このDOなら一目瞭然。しかも、この分厚い鋳鉄の固まりが
爆発するとは考えにくい。

 オイルを塗りながら、何だか、にやけてくる自分に気が付く。
レシピ集を 読んでいるうちに、ますます顔がほころぶ。

 「あー、最初は何を作ろうかナー」
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 *おまけ

・翻車魚倶楽部 今回の夫の疑問
  夫:「しじみは、いつから低血圧になったんだぁ?」
  妻:「・・・。」